「このお店はいつからですか?」そう尋ねると、鉄板の向こうにいるおばあちゃんは「昭和42年だから今年で創業43年だよ」と応えた。
今では息子さんと切り盛りするそのお好み焼き屋さんは、私が小学生に上がるか上がらないかの時分、隣の食堂に叔母が勤めていた関係でよく訪れた記憶がある。また、今は駐車場になっている所にあった丸新デパートに連れてこられた後に、必ず寄っていた!
「43年もしているとねぇ、高校生の時に来てくれていたお客さんが定年になりましたと言ってきてくれるのよ」。おばぁちゃんは嬉しそうに話す。
いつもの定番のモダン焼きとそば焼きを頼む。おばあちゃんは手馴れた手つきで調理をし、あっという間に目の前まで運んでくれた。おそばを鉄板の上で混ぜる事もしないので、おいおい、大丈夫なのかと思いながら口に運ぶと、甘辛いソースともやしの香りがうまい。お好み焼きの粉も他のお店以上にふっくらとしている。これが43年のキャリアなのか?
しばらくすると夫婦連れが訪れる。昔、デートでよく来ていたと言っている。その隣ではビールを飲みながらそば焼きと素焼きを食べているおじさんが、無言で熱いお好み焼きと格闘している。ここ数年、徳島では新しい形態のお好み焼きフランチャイズが出店している一方で、一昔前のロードサイド型の広いお好み焼き店が撤退している。そんな時代背景にも関わらず、デパートの撤退や旧商店街の衰退、さらには映画館の廃業など、さまざまな悪い条件にも関わらず43年も続くお好み焼きいか十に、古きよき時代を感じずにはいられない。

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